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冒険
  出発地点から40キロメートルほど西進すると、左手に狭隘な水路が登場する。チリとアルゼンチンの国境紛争が激化していた時代には重要な軍事拠点であったカナル・ムライであり、一般の船舶の航行は禁止されていた。しかし、1999年冬に国境が画定し、最近になり外国船籍の船舶の航行も許可されるようになった。その結果、我々はカヤックでカナル・ムライを最初に通過するという栄誉を授与された。

  潮流のあるカナル・ムライを無事通過し、そこから方向を東側に転換する。島伝いに進行することによって、航行の危険を多少なりとも減少させようという意図であるが、その一方で西側からの強風に直面することにもなり、何度も緊急避難をしながら南進していった。しかし、強風で出航できないとき、無人の島々を眺望しながらのキャンプ生活は得難い経験であり、これこそカヤックによる航海の真髄でもあった。








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