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論文

 一昨年(2004)の夏に「グーグルニュース」という情報提供サービスが始まって、我々がニュースを入手する方法が大きく変わり始めたという話しさせていただきました。
 これは新聞や雑誌のウェブサイトから様々なニュースを採り上げて編集し、まとめて表示するというサービスで、日本版の場合は600以上の新聞や雑誌から最新のニュースを編集してくれますから、世間で話題になっていることが一目瞭然で、大変便利なサービスです。
 このグーグルが昨年2月から新しく開始した地図情報の提供サービスが「グーグルマップ」です。
 もちろん、インターネット上で地図を無料で見ることの出来るサイトはたくさんあり、日本では「国土地理院の25000分の1地図」という公式の地図から、よく使われる「マピオン」や「ライブドア地図」など多数ありますし、世界地図では「エンカルタ世界地図」や「マップクエスト」など、やはり無料の地図が多数あります。

 「グーグルマップ」との違いの第一は連続して動くということです。
 DVDの形で購入する地図の場合には、画面にマウスを当ててクリックしたままドラッグ(ドラッグ&ドロップ)すれば、地図は前後左右に自由に動かせるものもありますが、無料の地図のほとんどは地図の画面の上下左右にあるマークをクリックすると、隣の区域に一気に移ってしまいます。ですから丁度2枚の地図の境界にある場所は見るのが難しい状態になります。
 ところが「グーグルマップ」では、有料で購入する地図と同様に、上下左右どころか斜めでもドラッグ&ドロップで自由に移動させることができます。
 これは「Ajax(エイジャックス)」という最新のスクロール技術で可能になったものです。

 第二の特徴は、縮尺を連続して変えることができることです。これも従来のインターネットで提供されている地図では、画面の周囲にある縮尺の数字をクリックすると、その縮尺に不連続に拡大か縮小されてしまいますが、「グーグルマップ」では地図の片隅にある目盛りをドラッグすると、地球全体の大きな地図から建物が一軒一軒半別できる詳細な地図まで連続して変化します。
 数字で表現すれば、1500万分の1から500分の1まで自由自在に縮尺を変えることができ、3万倍も変化するのです。

 第三は右上に「マップ」と「サテライト」という枠があるのですが、その「サテライト」をクリックすると、一瞬にして人工衛星から撮影した写真に変化します。
 これは最大に拡大すると家が一軒ずつ判別できるどころか、自動車も一台一台見分けることができます。

 第四の特徴は検索システムがあることです。地図の外側に「地図を検索」という項目と「お店やサービスを検索」という項目があります。
 まず「地図を検索」では、枠内に住所を記入してクリックすると、一気にその場所が表示されます。
 「お店やサービスを検索」では、例えばレストランと入力し、もう一つの枠に港区赤坂と入力して「検索」というボタンをクリックすると、このTBSの周辺にあるレストランが地図の上に表示されると同時に、左側に店の名前も表示されます。そこで、どこか行きたいと思うレストランの名前をクリックすると、そのURLが表示されますので、それをさらにクリックすると、レストランの料理などの説明を読むことができるというわけです。

 世界地図の場合、詳細な地図が用意されているのは、現状ではアメリカとイギリスとカナダと日本だけですが、このような便利な地図が無料で提供されているということは、インターネットが新しい時代を開拓しているということを実感させてくれます。

 当然、ライバルも登場しています。
 情報検索サービスでグーグルに対抗しているヤフー・ジャパンが、まだベータ版(実験版)ですが、「ヤフー・スクロール地図」を試験提供しはじめています。これも似たような機能ですが、後から追いかけているので、周辺の天気や最寄り駅への経路を示すなどの新しい機能を付け加えています。

 しかし、グーグルではさらに「グーグルムーン」という、アメリカの宇宙船が着陸した6箇所の周辺の月面地図を見ることのできるサービスや、「グーグルマップ」の衛星写真の部分だけを独立させた「グーグルアース」を提供しています。
 現在のところ「グーグルアース」はウィンドウズでしか見ることができませんが、衛星写真を斜めから見ることもできるようになっていますので、飛行機で旅行する気分を味わうことも出来ます。
 ぜひ一度試していただいたらと思います。





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