TOPページへ論文ページへ
論文

 先週の7月30日の土曜日に「隅田川花火大会」に行ってきました。約100万人の人出で大変な賑わいだったのですが、まだまだ8月も全国各地で花火大会が開催されます。そこで今週は花火について考えてみたいと思います。

 最初に1回の花火大会で何発の花火が打ち上げられるかということですが、隅田川花火大会の場合、80分間で2万発です。
 これはどの程度かと比較してみると、日本最大が8月15日に開催される「諏訪湖祭湖上花火大会」で3万7000発です。しかも、ここでは全長2キロメートルになる仕掛け花火のナイアガラもあり、別格というところです。
 大規模なものでは3万発という大会が各地で行われ、これから開催される大会だけを挙げてみても、関東では8月13日の「利根川大花火大会」、8月27日の「いせさき花火大会」、東海地方では8月6日の「ふくろい遠州の花火」、8月6日の「長良川全国花火大会」があります。
 2万発になると、全国各地にあり、北海道では8月13日の「勝毎花火大会」、東北では8月6日の「山形大花火大会」、関東では8月6日の「足利花火大会」、「渡良瀬遊水池花火大会」、10月1日の「土浦全国花火競技大会」、近畿では8月6日の「平成淀川花火大会」などがあります。

 誰もが関心のあるのは、1発の花火の値段がいくらか、また、1回の大会にかかる費用がどれくらいかということではないかと思います。
 そのためには、まず、花火の大きさから説明したいと思いますが、この世界は現在でも尺貫法で、直径1尺(30cm)のものを尺玉といいます。これは重さ8・5kgで、打ち上げると330mの高さまで上がり、直径320mに開花します。
 これより小さいものは直径7寸(21cm)のものが7号といわれ、重さ3kg、打ち上げ高さ250m、直径240m、以下、5号、4号となり、小さいものが3号で、これは直径3寸(9cm)、重さ200g、打ち上げ高さ120m、開花の直径が60mとなります。
 大きい方になると、直径2尺(60cm)の2尺玉で重さ70kg、3尺(90cm)の3尺玉で重さ280kgとなり、最大が4尺(120cm)で、重さは420kgにもなり、800mの上空まで打ち上げられ、上空で開花したときの直径は800mにもなります。

 値段ですが、値段表によると、尺玉が5万円、7号玉が2万1500円、3号玉になると3600円ですが、大きくなると一気に値段が上がり、2尺玉では1発60万円にもなります。
 1尺玉が5万円で、2尺になると途端に12倍にもなるのは疑問に思われるかも知れませんが、重量も8倍以上ですから妥当な値段だと思います。さらに3尺玉は150万円や4尺玉は250万円になります。
 直径800mの大輪の花が空中に10秒程度開くショウの値段が数百万円というわけです。

 それでは1回の大会では、どの程度の費用かを計算してみると、8月13日に開催される東京湾大華火大会では、80分間に1万2000発の花火が打ち上げられますが、その内訳は2・5号玉が5560発、3号玉が3060発、途中省略して1尺玉が100発、1尺5寸玉が10発です。
 これに単価を掛けてみると、8000万円弱になり、おおよそ1分につき100万円が空中に燃えていくという計算になります。2万発の大会では比例して計算すると1億3000万円、1分間に170万円が消えていくということになります。
 この贅沢が、多くの人々が花火に感動する理由ではないかと思いますが、世の中にはさらに単価の高いエンタテイメントがあります。

 例えば、宮崎駿監督の制作したアニメーション映画「もののけ姫」は23億5000万円かかっていますが、133分の作品なので、1分では1770万円になります。
 さらにトム・クルーズと渡辺謙が主演の『ラスト・サムライ』は275億円の制作費で154分の作品ですから、1分につき1億7800万円にもなります。
 映画は何千万人もの人々が鑑賞しますし、感動の質が違いますが、やはり時間あたり単価は感動に影響するのではないかと思います。
 参考までに、日本のテレビジョン番組は平均すると1分20万円程度で制作されていますし、連続ドラマでも1分につき70万円程度ですから、花火以上の感動をもたらすのも意外に大変なことかも知れません。





designed by BIT RANCH / DEGITAL HOLLYWOOD
produced by Y's STAFF
Copyright(c) Tsukio Yoshio All Rights Reserved.