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6月20日にアメリカの技術者ジャック・キルビーさんが81歳で亡くなられたというニュースが伝えられました。この方は一般には有名ではないかも知れませんが、コンピュータ分野では大変な有名人で、2000年にはノーベル物理学賞を受賞しておられます。 何をされた方かというと、1958年にテキサス・インスツルメント社の技術者として集積回路を発明されたのです。 トランジスタはすでに1948年に発明されていたのですが、それでコンピュータを組み立てようとすると、相互に接続するために配線をする必要があります。 複雑なコンピュータになるほど、トランジスタやコンデンサーの数が膨大になり、その配線の手間がネックになってコンピュータが作れなくなるという予測がなされていました。よく写真などで紹介されるスパゲッティ状態の配線になってしまうわけです。 ところが集積回路が実現すると、最初から配線された回路が1個の半導体の上に実現してしまいますから、その手間が無くなるし、配線の間違いもなくなるということで、画期的な発明でした。 現在のIT社会が現実のものになっているのは、キルビーさんの特許のおかげと言っていいくらいです。 ところが、日本の企業からはキルビーさんは歓迎されざる人だったのです。 なぜかというと、この集積回路の製法について、テキサス・インスツルメント社は日本では1960年に特許を出願し、1965年に公告されています。特許は出願されてから20年間が有効期限なので、日本では1980年には失効するはずだったのですが、テキサス・インスツルメント社は様々な特許手法を駆使して、世間では「キルビー275特許」といわれる特許を取得し、有効期限を2001年まで延ばすことに成功したのです。 そのため世界の集積回路メーカーは膨大な特許使用料をテキサス・インスツルメント社に支払うことになり、日本の会社だけで毎年数百億円、2001年までの累計では数千億円も支払ってきたのです。 日本では富士通が特許使用料の支払いを拒否し、1991年にテキサス・インスツルメント社を相手に訴訟を起こし、2000年に最高裁判決で「問題の特許は無効とされる可能性が極めて高く、そのような特許権に基づき第三者に権利行使することは権利の濫用である」として、キルビー275特許の使用量請求を無効としています。 このような問題が発生するのは、アメリカの特許制度が特殊な制度になっているからです。第一の重要な違いは、日本やヨーロッパでは「先出願主義」といわれ、先に特許庁に出願したほうが優先権を主張できるのですが、世界で唯一、アメリカだけが先発明主義という制度を採用しています。 これは特許の出願が遅れても、先に発明していたということを研究記録などで証明できれば特許を認められるという制度です。したがって、特許を出願して一安心というわけにはいかない場合があるのです。 もうひとつの重要な違いは、日本やヨーロッパでは特許が出願されると、その日から18ヶ月経ったときに内容を公開することが義務づけられ(特許法15条)、特許の有効期間は出願のときから20年になっています。 ところがアメリカの特許制度では、特許が成立するまで内容は公開されず、特許の有効期間は特許が成立してから17年間となっていました。そこで、出願してから特許の内容を変更しながら審査を延ばし、ライバル企業などが自社の出願している特許内容を使って十分に利益をあげたと判断したときに特許を成立させて、賠償金などを請求するという手法がとられてきました。 これは潜水艦のように長期間潜伏していて突然浮上するので「サブマリン特許」といわれ、国内国外の企業が多大の損害を被ってきました。 例えば、レメルソン事件といわれる特許係争では、製品の検査を電子画像で自動解析するという内容が、1954年に出願されていますが、成立したのが1992年で38年間も潜伏していました。また、半導体製造装置にとって重要なレーザーについてのグールド特許も28年間も潜伏していました。 最近、やっと特許の有効期間を特許の出願日から20年にするように、アメリカも特許法を改正しましたが、それ以前に出願されている特許については適用されませんので、まだまだ安心というわけには行きません。 アメリカの利益に反するから京都議定書を批准しないと主張するのと同様のアメリカの独善だと思います。 |
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