月尾嘉男の洞窟


最近の日本は経済もパッとしないし、外交でも様々な問題を抱えているし、国内でも産官学とともに不祥事が多くて憂鬱な気分になりがいですが、日本は大丈夫だ、大国だという元気の出る話をさせていただきたいと思います。　基礎的なことですが、日本の経済は世界の１４％でアメリカに次いで２位、人口は世界９位、日本語は日本国内しか通用しませんが、話す人数だけからいえば世界８位と１０位以内に入っていますから、十分に大国だと思います。　先週、ご紹介させていただいたロケットも２月２６日に無事打ち上げに成功しましたが、現在、世界で数トンの人工衛星を静止軌道に打ち上げることのできるロケットを持っているのは、アメリカ、ロシア、ＥＵ、中国、そして日本の５カ国ですから、これは文句なく大国です。　ところが、日本の弱点は国土面積が狭いということで、３８万平方キロという面積は世界の６０番目です。これはロシアの４５分の１、中国の２５分の１というわずかな面積ですが、この国土については大国の側面もあります。　ＪＡＬ２７０３という航空便がありますが、これは北海道の千歳空港を１０：３０に出発して、沖縄の那覇空港に１４：００に到着しますから、３時間半をノンストップで飛びます。　このように国内を飛行機がノンストップで３時間以上飛ぶことができる国はそれほど多くなく、ロシア、中国、インド、インドネシア、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、チリなど１０カ国程度ですから、長いという点では大国です。　面積として大国の側面もあります。排他的経済水域です。これは海岸から２００海里（約３７０キロメートル）以内の海において、生物資源や鉱物資源に主権を行使できるということですが、日本の排他的経済水域は４５１万平方キロメートルで、世界では６番目で、国土面積の１２倍もあります。　最近、中国が沖の鳥島について、島ではないと文句を言っていますが、あの沖の鳥島は東西５キロメートル、南北２キロメートルの珊瑚礁で、満潮時でも２つの岩が海面上に７０センチメートルも顔を出していますから立派な島ですが、この島のおかげで排他的経済水域が４０万平方キロメートルあり、日本の国土面積以上です。　海岸線の長さも世界で３番目ですが、国土面積あたりの海岸線の長さは平方キロメートルあたり９１メートルあり、２位のイギリスの５４メートルを大きく引き離して世界一です。　日本が南北に細長く、しかも海岸線が複雑ということから、もうひとつ日本が誇るべき大国の事実があります。生物の種類が豊富だということです。　日本には哺乳類が１８８種類生息していますが、韓国が４９種類、フランスが９３種類、同じ島国のイギリスには５０種類しかいませんし、固有種というその地域にしか生息していない哺乳類になると、日本は４１種類もいますが、他国はゼロです。　植物についても、日本は５５６５種類、韓国は２８９８種類、フランスは４６３０種類、イギリス葉１６２３種類で、日本が圧倒的に多いし、固有種も日本には２０００種類以上ありますが、韓国が２３２種類、フランスが１４０種類、イギリスは１６種類と大差です。　日本は環境の世紀に多様な生物社会を維持していると自慢していいと思います。　最近、日本が大国だという新しい証拠が発表されました。先週のニュースでも紹介されたのですが、日本地理学会が大学生と高校生を対象に世界各国の位置をどの程度知っているかという調査をしましたが、イラクの場所を正確に指摘できなかった大学生が４４％、ギリシャにういては２４％、ベトナムについては２６％などという結果でした。　これは悲観的な結果のようですが、大国ほど世界を知らないと考えると、日本は大国という証拠です。昨年、ある女性アナウンサーにオリンピックが開かれているアテネはどこの国かと聞いたらイタリアと答えてくれましたし、ある放送局がハワイの浜辺に寝そべっている日本の女性に、いま滞在しているハワイを世界地図で示してもらったところ、正解は２３％であり、日本は着々と大国になりつつあります。　当然、本当の大国アメリカは徹底しており、朝日新聞のワシントン総局長が近くの小学校に日本のことを話に行ったとき、小学校の先生が、生徒に日本の位置を教えてあげますと示した場所がフィリピンであったそうですし、レーガン大統領は南米を訪問した後に記者に向かって「諸君は驚くだろうが、南米は別々の国なんだ」と言ったり、現在のブッシュ大統領もブラジルの大統領に「ブラジルには黒人もいるの？」と質問したりしていますから、日本の大学生の４割がイラクを知らないというのは心配しなくてもいいと思います。



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