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論文

 先週の終末にミステリースポットと言われる場所に探検に行ってきましたので、その様子をお話させていただきたいと思います。
 ミステリースポットとかミステリーゾーンというのは現在の人間の能力では解明できないような現象が発生している場所ですが、有名な例では「バミューダ・トライアングル」があります。アメリカのフロリダ半島とバミューダ島とプエルトリコを頂点とする大西洋上の三角形の地域で、昔から多数の船が行方不明になったり、戦後では飛行機も行方不明になっているということで有名ですが、その原因がはっきりは分からないという場所です。
 そこは重力や磁力の異常があるために無線が通じなかったり、コンパスが狂うからだとか、大西洋に沈んだアトランティス大陸の影響だという様々な推測もありますし、飛行機の行方不明については原因を解明した報告書もありますが、それでも不思議な場所です。
 古代ギリシャでピュティアと称される巫女からアポロ神の宣託を得られるということで有名なアポロ神殿のあるデルフォイも有名ですし、日本では青森県の下北半島にある恐山もイタコによって亡くなった人のメッセージを聞くことのできる口寄せの場所として有名なミステリースポットです。
 デルフォイについては、そこに地殻の割れ目があり、そこから特殊なガスが吹き出て、巫女がトランス状態になるのではないかと推測されたりしていますが、完全には解明できていないようです。恐山は3度、行ったことがありますが、イタコの口寄せの真偽はともかく、不気味な雰囲気でミステリースポットに相応しい場所です。

 今回、行ってきたのは長野県の長谷村という南アルプスの西側の谷間にある分杭峠という場所です。
 ここにはどのようなミステリーがあるかというと、気場、気力の「気」と場所の「場」と書きますが、地球の気が通る場所で、地磁気がゼロに近いと言われているのです。
 10年ほど前に、中国の有名な気功師が来て発見したそうですが、実際、分杭峠から数十メートルの谷底に降りて行くと、それなりの雰囲気のある場所でした。
 そこで、手を突き出していると、掌に斑点が出てきて紫色になり、指先がピリピリしてきました。8人ほどで行ったのですが、ほとんどの人が同じ経験をしているので、間違いではないと思います。
 これまで訪れた人の中には、気を失ったり、大声で叫びだしたりした人も居られたそうで、何かがあるのだと思います。

 そのような現象が発生する原因はあるかというと、この場所は中央構造線という日本で最大の断層が通過している場所なのです。
 中央構造線は明治の初期に、ナウマン象の化石を発見したことで有名なドイツのナウマン博士が発見した断層ですが、熊本あたりから九州を横断し、さらに四国と紀伊半島の中央を横断し、浜名湖の北あたりから伊那谷に続いている断層で、太平洋プレートが大陸のプレートに潜りこんでいるために、まったく違う地層がぶつかりあっている場所です。
 長谷村には、その地層がぶつかっている場所を直接観察できる場所がありますが、一方が黒色の水成堆積岩で、一方が茶色の火成岩で、見事に地質が別々だということが分かります。
 水晶の結晶に圧力を加えるとピエゾ電気といわれる電気が発生するのですが、このように地層がお互いに押し合っている場所でも電気が発生し、その影響によって地磁気が消しあうということは十分に考えられます。
 最初にご紹介したデルフォイも1980年代に、国連開発計画(UNDP)がギリシャに地震を発生させる原因となっている活断層の調査をしたところ、聖地の付近に断層面が露出していることが分かり、地中から湧き出ている水や気体、さらには磁力の異状によって巫女がトランス状態になるという推測は荒唐無稽ということではないようです。

 このような現象を非科学的だと思われる方も居られるはずですが、私はそうではないと思います。
 万有引力を発見したニュートンが、晩年に「自分のしてきたことは浜辺にある無数の貝殻のなかから、ほんのわずかな美しい貝殻を発見しただけである」と書き記していますが、科学というのは、大自然のほんの一部を理解して説明しているだけであり、人間が理解できないことはいくらでもあるはずですし、科学によって人間が自然を感じる力が減少してしまっていることもあると思います。
 したがって、私たちは超自然とかミステリーといわれる現象を謙虚に受け容れるべきだと思います。





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