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論文

 インターネットに接続されているコンピュータに、外部からアクセスしてくれば情報を提供するものをウェブといいますが、現在、世界中のコンピュータには数十億ページと推定されるウェブがあります。
 あまりにも膨大な情報ですから、自分が必要とする情報を探し出すのが大仕事で、それを助けるための手段としてサーチエンジンといわれるサービスがあります。現状ではアメリカの企業が開発した4種類のサーチエンジン「グーグル」「MSNサーチ」「ヤフー・サーチ」「アスク・ジーブス」が主要なものですが、そのなかでも圧倒的に人気があるのが「グーグル」で、サーチエンジン利用者の50%以上が利用しているといわれています。
 利用方法はきわめて簡単で、まずコンピュータの画面にあるブラウザーのアドレスを入力する枠に「http://www.google.com」と入力すると、「グーグル」のホームページが登場しますので、その画面の検索用語を入力する枠に、自分が探したい内容のキーワードを入力して、検索というボタンをクリックするだけです。

 ちなみに、漢字で「森本毅郎」と入力して検索してみたら、3210のウェブサイトに森本さんに関係する情報があると表示されました。時間は0・41秒で一瞬です。
 もちろん、これでは多すぎて参考になりませんから、「森本毅郎」と同時に「月尾嘉男」と入力してみますと、一気に38になり、以前、森本さんと一緒に出版させていただいた「ホットな話題、クールな真相」という本に関連する情報などを知ることができます。

 このサービスは広告料金でまかなわれているので、利用者部は無料で提供されていますから流行するわけで、現在、世界のインターネットでの検索サービスの広告売上げは4000億円程度ですが、4分の1の1000億円が「グーグル」の収入といわれています。
 これはインターネットの分野の多くの技術やサービスと同様に、アメリカの若者が発明して開始したサービスで、1998年に、当時、スタンフォード大学で情報科学の勉強をしていた23歳と24歳の二人の大学院生ラリー・ページとセルゲイ・ブリンが技術を開発し、大学院を中退して開始したものです。
 現在、60億ページ以上のウェブ情報を90の言語で検索できるようになっており、サービスを開始した5年ほど前に1日に1万件程度しかアクセスがなかったのですが、現在では1日に2億件を超えるアクセスがあるほどに一気に拡大してきました。
 ちなみに「グーグル」とは、どういう意味かということですが、10の100乗という、ほとんど無限といっていい大きな数のことを「グーゴル(googol)」というので、それを借用したといわれています。

 しかし、美しいバラには棘があるという言葉があるように問題もあります。
 例えば、「森本毅郎」と「女性問題」というキーワードを同時に入力して検索すると507のウェブサイトに情報があると出てきました。
 御安心いただきたいのですが、期待する情報はありませんでした。例えば、森本さんが出演しておられるTBSの番組「スパスパ人間学」が検索結果として出てきますが、どうしてかというと、森本毅郎と爆笑問題と女性アナウンサーという言葉が含まれているために、条件を満足してしまうからです。
 また「森本毅郎スタンバイ」の公式ホームページも検索結果として出てきます。ここにはリスナーからの投書が掲載されているのですが、「年金問題」について「40代の女性から」という投書があったので検索されたということです。

 このように期待する情報が発見しにくいということも問題なのですが、もっと根本的な問題があります。アメリカでは小中学校の70%が宿題の答えをインターネットで検索しているといわれていますし、世界中では膨大な人々がサーチエンジンで情報を検索していますから、それらで発見できない情報は世の中に存在しないとことになってしまうのです。
 そこで、この特徴を逆手にとって、知られたくない情報をウェブサイトから消去してしまうということが発生します。実際、9・11事件の後では、アメリカ軍の化学兵器倉庫の情報が消去されたり、電力会社が環境汚染物質排出のデータを消去したりして問題になっています。
 また、検索された結果を表示する順番は、多数の人々が利用しているものほど上位に掲載する仕組みになっているので、企業などが意図的に検索を増やして上位に来るようにしたり、その逆に新しく作られたウェブサイトは検索されにくいということになってしまいます。

 最後に宣伝で申し訳ありませんが、この4月1日から、私のウェブサイト「月尾嘉男の洞窟」(http://www.tsukio.com)がオープンしましたので、御覧いただければ幸いです。





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