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論文

 地球の環境問題の大きな課題の一つである温室効果ガスについて考えてみたいと思います。
 1997年12月の地球温暖化防止京都会議(COP3)では、6種類の温室効果ガスの排出量を削減する約束がされました。
 6種類とは二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、六化硫黄で、2010年の削減目標は、1990年と比較してヨーロッパが8%、アメリカが7%、日本が6%です。
 しかし、昨年11月にオランダのハーグで開かれた「COP6」では交渉が決裂し、温室効果ガス削減目標を定めた京都議定書の2002年の発効が危うくなっています。
 当初、COP6の再会合は5月の予定だったのですが、アメリカのブッシュ新政権が準備のため延期を求め、結局、7月16日から27日までの日程でドイツのボンで開かれることが3月1日に決定しました。

 現状をまとめますと、温室効果ガス6種類のうち最も多く排出されているのが二酸化炭素で、排出量は1800年代と比べ、現在はおよそ5〜6倍で、濃度も1800年時点で280ppmでしたが、最近では340ppmに増加しています。
 それに伴って、地球の平均気温にも大きな変化が発生しており、1861年から現在までにおよそ0・6度上がっていますが、このままの状態だと2100年には、現在より平均気温が6度も上がってしまうことになります。
 この上昇で海の水が膨張して、海面が上がったり、台風が多く発生したりする可能性がありますが、現実に、台風の発生はここ最近多くなっています。

 そこで、現状を維持するためには人間の出す二酸化炭素を減らすことが必要ですが、二酸化炭素を減らすということは、天然ガス・石油・石炭などの主流の燃料を使わないということになります。
 具体的には、例えば、新聞が1部、家庭に届くまでに1228kcalのエネルギーが必要ですが、電子新聞であれば63kcalで可能です。書籍も紙の本を1冊手に入れるまでに8674kcalが必要ですが、電子書籍であれば217kcalで可能です。

 牛肉も問題視されています。エネルギー分析によって、食肉は牛肉・豚肉・鶏肉の順でエネルギー投入量が大きいことが明らかになっています。特に、牛の「ゲップ」によるメタンガスの排出が温室効果に大きく影響します。
 牛肉は豚肉の5倍、鶏肉の9倍、鶏卵の8倍も温室効果ガスの排出量は大きいし、牛肉と豆乳を比較すると、メタンガスの排出があるため牛乳の方が2・7倍も温室効果ガスの排出量が大きいのです。

 現代の生活になくてはならない「パソコン」についても考えてみます。
 ノート・パソコンよりもデスクトップ・コンピュータの方が温室効果ガスの排出量が3・5倍も多いし、同じデスクトップ・コンピュータでもブラウン管ディスプレイと液晶ディスプレイを比較すると、液晶ディスプレイの方が温室効果ガスの排出量を小さくする効果があります。
 加熱調理に使う「電子レンジ」と「ガステーブル」を比較すると、電子レンジは食品を内部から加熱するので、エネルギーを加える時間が短いため、温室効果ガスの排出量が小さくなります。ガステーブルの場合は、まずお湯を沸かし、その熱を食品の外から内部に伝えるために全体が温まるまでに時間がかかり、エネルギーを多く使います。
 例えば、レトルトカレーを温める場合、ガスを使うと電子レンジのおよそ4倍エネルギーを使うことになります

 日常生活を便利さだけではなく、環境への影響で見直すことも重要な時代になってきたと思います。





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