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読書の秋といわれる季節になりましたが、今月は古書月間になっております。 キンドル、iPad時代で本離れが進んでいますが、やはり本には文化の歴史が凝縮されています。 そこで、古書月間に因んで古書にまつわる興味深い話をご紹介したいと思います。 明日から「八王子古本まつり」、10月20日から「池袋西口公園古本まつり」、10月27日から1週間は「東京名物神田古本まつり」など、東京でも古本市が開かれますし、全国各地でも同様です。 多くのファンがそのような場所に本を探しに行かれるわけですが、その水準は様々にしろ、期待は掘り出し物の発見です。 歴史的な掘り出し物発見物語について、庄司浅水という有名な本の研究家が興味深い例を紹介した『世界の古本屋』という本を書いておられますので、それを参考にしながら、いくつか紹介したいと思います。 明治初期に日本で自由民権運動が盛んになりますが、その運動を推進するために、西園寺公望や中江兆民が中心となって、明治14(1881)年3月18日に『東洋自由新聞』を創刊します。 後に総理大臣を2回も勤めるほどの実力者の西園寺が過激な内容の新聞を発行して政府に対抗するのは困るということで、明治天皇から内勅が出て西園寺が社長を辞任するなどの事件となり、結局、4月30日の第34号で事実上の廃刊となります。 もともと1600部程度しか発売されていない上に、そのような経緯があったために、ほとんど残っておらず、現物がすべて揃っているのは東京大学明治新聞雑誌文庫(現在は近代日本法政史料センター)のみのようですが、東京大学が入手した経緯には掘り出し物物語があります。 戦前のことですが、ある名門の人物が国政に立候補しますが落選し、家を手放すことになり、土蔵を整理すると大量の古新聞が保存されていました。 くず屋は重さで計って引き取ったのですが、東京大学の明治新聞雑誌文庫であれば引き取ってくれるかも知れないと持込みます。 幸運なことに、そこに待っていたのが、嘱託として在任していたジャーナリストで新聞史研究家の宮武外骨であったため、そのクズ新聞の中から『東洋自由新聞』がすべて揃っていることを発見し、50円(現在の値段にすれば60万円)で引き取り、文庫に納まったということです。 ゴミの山からの大発見はたくさんありますが、もう一件をご紹介したいと思います。 これも戦前の話ですが、ある華族の家から古書店が多数の書籍をまとめて買い取り、調べてみると、巻子本の中に、長承(ちょうしょう)3(1134)年の奥書のある唐の時代の『蒙求』の写本であることが分かり、ある富豪が2400万円で買い取り、現在は国宝に指定されているという大躍進になりました。 外国にも同じような話は多数あります。 1844年に、イギリスのブリトンという町で、くず屋が4kgもある重い本を40円で引き取り、薬屋の前を通りかかったところ、薬屋が薬を包む紙がないかと聞かれたので、その本を150円で売ります。 何となく立派そうな本だと思った薬屋は文房具屋に持っていくと2000円で買ってくれ、店頭に飾られました。 それに目を付けた古書店が7000円で買い取り、ロンドンに済んでいる本の収集で有名な侯爵に見せると7万円で買ってくれました。 わずかな期間に2000倍も値上がりしたわけですが、これは大変に貴重な本だったのです。 15世紀中頃にドイツでグーテンベルグが活版印刷術を開発しますが、その技術が各地に伝わり、1480年にイギリスのセント・アルバンズという町にも印刷屋ができました。 この印刷屋では結局8種類の本が印刷されただけですが、その一冊がご紹介した本で、現在は『セント・アルバンズの書』とよばれる貴重な本になっています。 グーテンベルグが最初に印刷した『42行聖書』と呼ばれる聖書の上下2冊のうち1冊を慶応義塾大学の図書館が1996年に購入したときの値段が8億円で、現在では20億円はするだろうと言われていますから、『セント・アルバンズの書』も数千万円はするのではないかと思いますが、大飛躍です。 このように貴重な古書を発見して大儲けしたという話ばかりをご紹介してきましたが、清々しい話を最後にご紹介したいと思います。 岩倉使節団に参加して明治初期に欧米を視察し、宮内大臣の経歴もある田中光顕(みつあき)という政治家は大変な愛書家で、その集められた書籍や書の多くは茨城県大洗町にある「常陽明治記念館(現在は「幕末と明治の記念館」)」に納められています。 その田中伯爵が、あるとき『玉編』という貴重な書籍を入手します。貴重な古書だからと複製を作成し、有人に配るのですが、一時は政治家でもあった初代早稲田大学図書館長の市島謙吉(いちじまけんきち)が田中侯爵を訪れ、早稲田大学の図書館にも1巻を寄贈してほしいと依頼します。 残念ながら、複製はすべて有人に配って残っていないという返事で、がっかりして帰りますが、しばらくして田中伯爵の使いの者が本物を寄付しますと原本を持ってきたという逸話があります。 後に国宝に指定されるほどの、現在では数億円する貴重な本ですが、このような剛毅な人も居たのです。 現在ではインターネットで古書の値段も簡単に調べることが出来るので、掘り出し物はなかなかありませんが、時間があれば、各地の古書市に出かけられると、ひょっとしてということもあるかも知れません。 |
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