TOPページへ論文ページへ
論文

 インターネットで買物をする商売が活発になっていますし、インターネットで音楽を配信するサービスもいくつか出現していますが、これらは特許になっています。
 特許法によると「発明者は出願により発明を公開する代償として、特許権が与えられ、一定期間(出願から20年)、その発明を独占できる。これにより発明が一般に広く利用され、国民生活の向上を図るとともに、新技術の開発を促進して、産業の発展に寄与することを目的としている。」と書かれています。
 この特許になる3要件は発明物/新規性/発展性ですが、一方、特許にできない3要件は自然物/自然の法則/理念となっています。

 この特許の中で、最近「ビジネスモデル特許」が話題になっています。
 ビジネスの方法を特許にするので、3要件には該当しないようですが、アメリカが1980年以来、特許を拡大してきた中で、ビジネスモデル特許が可能になったのです。
 これは情報技術(IT)、すなわちコンピューターやインターネットを使ったビジネスの方法と、その仕組みに与えられる特許ですが、概念は必ずしも明確ではありません。
 このビジネスモデル特許は従来の特許と異なり、事業の仕組み自体を権利保護の対象とするのですが、なぜ設定されたかという背景には、事業の模倣が世界的規模で起きやすいという問題があります。
 そこでインターネット取引の分野で、開発者の利益を保全する新たな枠組として制定され、現在、アメリカでは4000件に上るビジネスモデル特許が成立するとともに、ビジネスモデル特許訴訟に敗訴して、業務撤退を余儀なくされるケースも相次いでいます。
 ビジネスモデル特許の保護範囲が広く認められ、権利者の独占利用が行き過ぎると、新技術の普及を阻害して、ネット産業の発展が妨げられる恐れもあります。

 <特許領域の拡大>
  1980年:遺伝子組み替え技術(バイオ特許第1号)
        チャクラバーティ事件(微生物特許第1号)
  1981年:ディーア事件(プログラム特許第1号)
  1988年:遺伝子組み替えねずみ特許(生物特許第1号)
        カーマーカー事件(アルゴリズム特許第1号)
  1989年:CIM特許(生産システム特許第1号)
  1998年:ステートストリート銀行事件(ビジネスモデル特許)
  1999年:ワンクリック事件(ビジネスモデル特許)
        逆オークション事件





designed by BIT RANCH / DEGITAL HOLLYWOOD
produced by Y's STAFF
Copyright(c) Tsukio Yoshio All Rights Reserved.