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論文

 四万十川でカヌーをしてきましたが、この日本の最後の清流と言われる河川の価値は6150億円と計算されています。
 経済学の分野で仮想評価法(CVM)といわれる計算方法があり、それを応用して計算した学者の数字によると、最大6150億円、最小1400億円なのです。

 仮想評価法とは「四万十川が開発されようとしていますが、それを中止させることができるのなら、いくら支払ってもいいですか?」と聞き、それを合計した数値です。
 全国民が支払えば6150億円、都会の人のみが支払えば1400億円という数字です。
 同様に計算してみると、屋久島は2438億円、名古屋市にある藤前干潟は2960億円、瀬戸内海全体はなんと200兆円という計算結果まであります。
 これがどの程度かを理解するために比較の数字として瀬戸内海の漁業の生産高を調べると3000億円程度ですから、200兆円が相当な値段だということがわかります。

 このような自然の「経済価値」とは別に、自然には「公益価値」という価値があります。
 例えば、水源を保全してくれるとか、炭酸ガスを酸素に換えてくれるとか、生物を育ててくれるとかという価値です。
 地球の自然の公益価値を計算した結果によると、1年間について
   海洋   800兆円
   湿原   300兆円
   干潟   200兆円
   熱帯林  400兆円     
などで、それ以外も含めて合計すると3500兆円となりますが、これは世界の実体経済とほぼ同額なのです。

 日本の森林についても同様の計算がありますが、年間75兆円です。過去の数字を調べてみると、1991年は39兆3000億円、1980年は24兆4000億円ですから、年々増額していることがわかります。
 一方、日本の林業の生産額は数千億円ですから、2桁も違います。

 自然は大切だと説明してもなかなか実感できませんが、このような評価をするとわかりやすく、自然の見方も変わると思います。





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