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論文

 今週は「魅力」について考えてみたいと思います。
 魅力という言葉は英語でアトラクティブネスといいますが、人、物、金、情報を自分に惹きつけることを意味します。
 魅力的な人間は異性を惹きつけるだけではなく、結果として物や金も集まってくるというわけです。
 しかし、情報社会になって、この魅力という概念は個人だけではなく、地域や国家にとって重要な力になると考えられるようになりました。
 米ソ両大国の武力による安全保障が崩壊し、それ以後の社会の安全保障の力が魅力と考えられるようになったからです。

 例えば、人を惹きつける一例として観光客を考えてみると、多数の観光客がくれば経済的利益もあるし、文化を理解してくれれば尊敬もかちとることになります。
 留学生が多数くれば、日本を理解してくれ将来の外交などでも有利になります。

 そのような視点から日本の魅力度を推定すると、かなり低いのが実情です。
 人を惹きつける一例は海外からの観光客ですが、日本は世界の20番目程度ですし、GDPあたりの観光収入は世界最低です。
 留学生は6万人程度で、アメリカの50万人にはるか及美ません。
 海外純資産残高は100兆円以上もあり、日本の市場に投資の魅力がないから海外に資金が出て行ってしまうことを示しています。

 魅力が低いということが、結果として先の見えない日本の不況につながっているとも言えます。21世紀の日本の課題は魅力を向上させることではないかと思います。





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